過ぎ去っていく、今、と 約束を交わす。
「明日もまた来てね。」って、今この時も。
その間に、さかい目はない(ある)か、
指の腹でなでてみるといい。
いわきとゆかりのある現代作家を紹介する企画展「ニューアートシーン・イン・いわき」の49回目として、森口美樹の作品を展示します。森口は1990年福島県双葉郡に生まれ、2013年に女子美術大学を卒業するとグループ展や個展で作品を発表するほか、いわき芸術文化交流館アリオスの定期刊行物「アリオスペーパー」の2022年度の表紙制作を担当するなどいわきを拠点に活動しています。
東日本大震災を経験した森口は被災地を取り巻く状況や言説、あるいは日常会話のなかで本来違いのないはずの人間どうしが被災者/非被災者の二元論で語られることに疑問を抱き、そうした人と人との線引きをどうすれば解消できるかを制作のなかで模索します。本展は「明日の約束」と題して、森口の絵画作品を森口自身が紡ぐ言葉とともに展示します。誰もが等しく持つ「明日の約束」を胸に、やわらかく、どこか懐かしい気持ちを喚起させる森口の世界をお楽しみください。