タイトル等
時代を羽化する感性・・・その狂気の軌跡
追悼 大宮政郎展
会場
萬鉄五郎記念美術館
会期
2023-03-11~2023-04-23
※展覧会のスケジュール・内容が都合により変更、中止する場合がございます。ホームページをご確認ください。
休催日
月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)
開催時間
午前8時30分~午後5時
(入館は午後4時30分まで)
観覧料
一般400(350)円/高校・学生250(200)円/小学・中学生150(100)円
*( )内は20名以上の団体料金
主催者
萬鉄五郎記念美術館
概要
昨年11月大宮政郎が亡くなった。92歳とはいえ1ヶ月前には当館の企画展の初日にみえられ、小一時間ひとしきり陽気に話されて「まだまだ3年ぐらいはやれそうだよ。」と快活に語り、持参した最新作の《降神(おりがみ)》シリーズとそのカタログのレイアウト案まで見せてくれた。
近年は失明同然で、手探りながら制作意欲は衰えを知らず、新作《降神》も使い古しのポスターを感覚的に折ったもので、半立体作品を目指したという。その前のシリーズの《天駆ける鬼》は、手足を版がわりに紙面に押し当てた触覚を頼りに作品化したものだった。これまで彼は、「芸術は発明だ!!」と自論を展開し、平面、立体に関わらず、どこにもない独自の造形考を提示、実践し続けた稀代の表現者であった。
戦後いち早く盛岡に開校した県立美術工芸学校に学び、深沢省三、紅子の薫陶(くんとう)を受け、グラフィックデザイナー兼、美術家として活動を開始する。デザイナーとしても岩手デザイン界に新風を巻き起こした若手の旗手であり、彼の元から巣立っていったデザイナーも少なくない。美術家としても、60年代には盛岡大通りの「CAFEモンタン」に集い、最先端の芸術を目指す詩人や画家、音楽家と交わり、盛岡の前衛美術グループ「集団N39」の立ち上げを先導し、全国的にみても質の高い美術集団として岩手の美術ここにありとセンセーションを巻き起こした。
シリーズ作品をたどると、60年代のプラスチックで固めたオブジェ《サイボーグプラン》に始まり、人が目まぐるしく動く高度経済成長時代の世相を反映した《人動説》や発明的な写真テクニックを駆使した《スリムフォト》。さらには綿に刷り込んだ《綿版画》。移り行く形象を造形化した《発掘された朝日と夕日》、《煙》や《光》シリーズというように、柔軟な思考で奇想天外のアイディアを実現させ、アートの可能性を問い続けてきた。
先の震災以降は、内なるエネルギーを画面にぶつけた迫力あるドローイングを矢継ぎ早に発表し、老いることの知らない永遠の青年画家さながらの生き様を見せてくれていた。また、的確な論評は人気を呼び、後輩アーティストを叱咤激励し、今日まで岩手の美術会をけん引してきた稀有な美術家でもあった。
亡くなる2週間ほど前には、「新作の《降神》で個展が開けるかなぁ?」と、相談の電話があったほどで、最後の最後まで現役作家という自負を抱えながらその生涯を終えた。まさしく「北異のマグマ・大宮政郎」を貫き通したブレない姿は神々しくもあり、神が降り、仏となっていってしまった。
最新作で個展のプランを温めていた大宮政郎。それを実見するとともに、彼の生涯の創造的な造形作品の軌跡を辿りたいと思います。
ホームページ
https://www.city.hanamaki.iwate.jp/bunkasports/bunka/yorozutetsugoro/1002110/1017956.html
会場住所
〒028-0114
岩手県花巻市東和町土沢5-135
交通案内
列車
JR釜石線 「土沢駅」より 徒歩8分
JR東北新幹線 「新花巻駅」より タクシー10分

バス
岩手県交通 「土沢線 (花巻駅―新花巻駅―雲南桜前)」
土沢中町下車 徒歩3分

自動車
東北自動車道 「花巻インター」「花巻南インター」から それぞれ20分
釜石自動車道 「東和インター」から 2分
(美術館駐車場20台)
ホームページ
https://www.city.hanamaki.iwate.jp/bunkasports/bunka/1019887/yorozutetsugoro/1002101.html
岩手県花巻市東和町土沢5-135
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