子どものころに夢中で読んだ、あの冒険の物語。次のページにどんな展開が待っているのか、読み進めるのが楽しかった経験はありませんか?本展ではちひろ美術館コレクションのなかから、冒険や探検をする子どもの姿を描いた作品をご紹介します。長く読み継がれてきた物語のなかには、困難に立ち向かい、行く手を阻まれても勇気をもって進んでいく子どもが登場します。現実にはない景色や、一生懸命な主人公の姿を世界の絵本画家たちが想像力をふくらませて描いた作品から、ふたたび冒険の世界をお楽しみください。
『不思議の国のアリス』
イギリスのルイス・キャロルが書いた少女の冒険の物語『不思議の国のアリス』。本展ではアンドレア・ペトルリック・フセイノヴィッチの作品でご紹介します。原作とは趣が異なり、アクリル絵の具の明るい色彩と厚塗りのタッチで描かれた世界で、不条理な物語がつづられます。
『ミオよ、わたしのミオ』
スウェーデンの国民的作家アストリッチ・リンドグレーン原作の『ミオよ、わたしのミオ』は、みなしごとしてつらい日々を送る少年が、父の王が待つ「はるかな国」へ向かい悪者を倒す冒険の物語。カーライは厳密に作品の背景を探り、面相筆の緻密なタッチで絵の具を塗り重ね、独特な深みのある色合いで不思議な空間を生み出しました。