書家・田中塊堂、洋画家・佐藤一章など、郷土ゆかりの作家を中心に、当館収蔵作品を展示します。田中塊堂の収集品として大変貴重な吉備大臣入唐絵巻(摸本)も公開します。
また、矢掛町名誉町民の一人 渡邊武次郎氏が出会った巨匠パブロ・ピカソのいたずら心が生んだ驚きの一品と絵皿も併せて展示いたします。
矢掛町名誉町民の渡邊武次郎(当時・三菱地所㈱社長)氏は、昭和40(1965)年、ベルギーで行われた世界不動産会議の後、同行者たちと南フランスにあるパブロ・ピカソの工房を訪れました。気難しいと言われていたピカソですが、快く招き入れてくれたといいます。その際、渡邊氏の背広にタバコで焼け焦がした穴が開いていたのを見つけたピカソが笑い出し、「絵を描いて穴をかくしてやろう!」と言いました。そこで渡邊氏は、ワイシャツの胸ポケットを指差し、「描くならここにしてくれ!」と頼んで描いてもらいました。この驚きの一品は、平成10年に渡邊武次郎氏のご遺族からやかげ郷土美術館へ寄贈されました。