東京・銀座で生まれ、目薬「精錡水」を販売する楽善堂を営む家で育った岸田劉生。白馬会の洋画研究所で黒田清輝に外光派の画風を学び、ルノワールやゴッホ、セザンヌ、さらにはデューラーなどさまざまな人物に影響を受けます。その後、一転して宋元画や南画など東洋的な美に傾倒し、劉生独自の画風を切り拓いていきました。水彩画をはじめ、版画、日本画、挿絵など幅広く取り組み、さらに自画像や愛娘麗子をモデルとしたシリーズは見る者を惹きつける彼を象徴する作品となりました。本展では当館コレクションの岸田劉生作品を展示し、初期から最晩年にいたるまでその画業をたどります。彼の生涯とともに多彩な作品をお楽しみください。