シルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田(1934-2000)は彫刻家 保田春彦氏(1930-)の夫人であり、氏と結婚後、来日するまでは、ヨーロッパで夫とともに彫刻家として研鑚を積んでいました。来日後の家事に追われる日常のなかで、無数のデッサンを描き、彫刻の小品を時間が許す限り、制作しつづけた、その知られざる足跡を、油彩約10点、彫刻約20点、デッサン・コラージュ80点で紹介します。それらの作品には、家族に寄せる深い愛情と、遠く異国の地にあってヨーロッパの造形の真髄への憧れを失わない芸術家としての矜持と、そして、なによりも寸暇を惜しんで表現しつづける、若々しい精神の輝きが宿り、そして、敬虔なクリスチャンとしての心情が真率に吐露されています。
同時に保田春彦によるシルヴィアに捧げられた木彫の新作3点も展示されます。