"WEB & METAMORPHOSIS 山口由理子展
アメリカで活躍するアーティスト、山口由理子(1948-)の最近の作品を、""Metamorphosis""、""Web"" と題された2つの連作を中心に紹介します。
ベルリンの壁の崩壊に触発され、事物の根本に4つの構成単位を認めつつ、その無常を表現した連作 ""Metamorphosis"" (1991年~)。その制作の過程で偶然に見出された、吊り下げられたオブジェをつなぎ合わせ、今日のネットワークを象徴する連作 ""Web"" (1999年~)。 木や紙、繊維や針金などを用いたこれらの立体作品には、生命や社会の変容する様相が、独創的な形で表現されています。
若江漢字 時の光の下に
若江漢字(1944-)は、1970年代から写真や版画を用いて「見る」行為と「視える」という作用を追求し、精力的に作品を発表してきました。
80年代には日本とドイツを往復しながら、インスタレーションを中心とする作品を展開。また、86年の「神奈川 芸術ー平和への対話」展の企画や94年のカスヤの森現代美術館の設立など、その多面的な活動には、芸術と社会の変革を訴えたドイツの芸術家、ヨーゼフ・ボイス(1921-1986)との出会いが大きな影響を与えています。「時の光の下に」と題する本展は鎌倉館の展示空間のために構成された「失われた時間」「現れ出る時」「静止する刻」の三章からなり、現代の世界と人間に対する若江の考察が、写真や立体、平面による16点の作品群を通して語られます。"