人物画は日本絵画の主題のひとつとして、古来、風景画、静物画、花鳥画などとともに主要な画題として取り上げられ、古代から中世には主に貴族・僧侶・武士などが描かれていました。その後、近世になると町人や農民などの庶民も群像、あるいは個人として描かれるようになっていきます。
近代になると、日本絵画の伝統を受け継ぎつつ、西洋絵画の技法を取り入れるなどしてさまざまな人物画が描かれるようになり、さらに服装や生活様式の変化に合わせて描かれる人物の姿も大きく変わっていきました。
今回の展示では、高倉観崖、松本真砂雄、髙山辰雄、鈴木忠実、宮崎喜恵といった大分を代表する日本画家たちの作品を中心に、近・現代の優れた人物画の数々を紹介します。また、特別展「BEAUTY 培広庵コレクション×池永康晟」の出品作家で大分県立芸術短期大学附属高校(現大分県立芸術緑丘高校)出身である池永康晟の同級生南聡の作品を併せて展示します。