一原有徳が版画を始めたのは、47歳と遅いスタートでしたが、その創作活動は意欲的で、多くの優れた作品が生み出されました。
一原には、美術以前に、10代から俳句・20代からは山登りと夢中になったものが2つありました。これらには、共通する一原のあるこだわりがありました。
それは、山ならば誰も登ったことのない頂を目指すこと。そしてそれが俳句や美術であっても、同じように誰もやったことがないことをしたいという思いです。そこから生まれたのが、イメージをあらかじめ意図せず制作し、作品の良し悪しは見る人に委ねるという一原のスタイルです。
作品と一原自身の言葉から、創作への想いや誰もやったことのないことを探求し続けた画業を紹介します。