タイトル等
曽谷朝絵 Fill
会場
西村画廊
会期
2023-03-22~2023-04-22
休催日
日曜 月曜 休廊
概要
西村画廊では、2023年3月22日(水)から4月22日(土)まで、曽谷朝絵の新作展“Fill”を開催いたします。

曽谷朝絵は1974年神奈川県に生まれ、2006年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻にて博士号(美術)を取得しました。2001年に昭和シェル石油現代美術賞グランプリ、2002年にVOCA賞(グランプリ)を受賞するなど、大学院在学中から頭角を現し、2013年には水戸芸術館で大規模な個展を開催すると共に作品集『曽谷朝絵 宙色(そらいろ)』(青幻舎)を刊行しました。主な個展に、西村画廊(2007年~)、資生堂ギャラリー(2011年)、AKI Gallery(2015年、台北)、スパイラルガーデン(2022年)、Hebel_121(2023年、バーゼル)などがあり、今年2月25日からは、さいたま市プラザノースで「曽谷朝絵展 にじのわ」を3月19日まで開催します。また、国内外の様々な公共施設においてカッティングシートを主材にした大々的なインスタレーションを継続的に発表し高い評価を得ています。

バスタブの水の波紋やそこにきらめくプリズム、時間の経過と共に移ろう暖かな日溜りなどが、鮮やかな色彩と驚異的な描写力によって体感的に抽出された曽谷の作品は、あふれる光に包まれるような感覚を観者に誘起し、視覚のみならず触覚や体温までにも心地よく働きかけてくる親密で身体的な魅力を有しています。そこには我々が日常的に体験し得る細微で豊かで複雑な実感が濃密に凝縮された、小宇宙的な広がりが横溢しています。

曽谷が傾注する題材の一つに植物があり、これまで、躍動する花の水彩画を拡大出力し大阪・西梅田の商業施設BREEZÉ BREEZÉ内の高さ20メートルに及ぶ吹き抜けの壁面に施工した2008年の《air》、浮遊する色彩豊かな森の映像作品を水戸芸術館の一室いっぱいにミラーボールを使い投射した2013年の《宙》など、木や草花の充溢した生命力を表現してきました。そして、近年のコロナ禍において放置されたまま縦横無尽に生い茂った植物の強烈な活力に自身の創造のプロセスとの類似を見出した曽谷は、はちきれそうな瑞々しさや暴力的な野性を湛えたそれらの姿を、偶発的な要素を取り込みながら即興的に描きとるようになりました。本展では、それら雑草の森をテーマに描いた新作絵画およそ15点を展覧いたします。

「―雑草の森―
コロナ禍で以前より人の手が入らなくなった街のあちこちに、気がつけば草が生え花が咲き、ジャングルのような植物の楽園ができていました。
アスファルトを突き破って成長するそれらは美しいと同時に暴力的なまでのエネルギーに満ち、自然と人間のパワーバランスは案外すぐにひっくり返されてしまうのではと感じました。
そして植物の在り様は、何かを創造するときのエネルギーにも似ていると思いました。一旦仕組みができると自動的に増殖していくところ、あらゆる部分に理由があるところ、そして見える部分よりも見えない根っこの方が圧倒的に大きいところ。
そんな植物たちに絵の中に生きてもらいたくて、これらの絵を描きました。
その自然増殖を仕掛けるように、写すのではなく構造から再現していきます。やり直しが効かない水彩を使って「絵の具こぼしちゃった!」などの偶然もどんどん利用しながら、観察した光景を頭の中で色や形に変換していきます(だからそっくりではないけど、それぞれの植物にはモデルがいます。)
それが展開していく様はまるで音楽の即興演奏みたいだと思います。
考えてみれば人間も自然の一部なのだし、コロナ禍の街の隙間に雑草の森が生まれたように、私達の心の隙間にもきっと、創造の森が生えてきているはずです。
曽谷朝絵」

当画廊では4度目およそ9年ぶりとなる曽谷朝絵の個展に、どうぞご期待ください。
ホームページ
http://www.nishimura-gallery.com/%e6%9b%bd%e8%b0%b7%e6%9c%9d%e7%b5%b5%e3%80%80fill/
会場住所
〒103-0027
東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル9F
交通案内
東京メトロ銀座線 日本橋駅 B1出口より徒歩2分
東京メトロ東西線 日本橋駅 C4出口より徒歩2分
都営浅草線 日本橋駅 D3出口より徒歩2分
JR東京駅 八重洲北口より徒歩8分
ホームページ
http://www.nishimura-gallery.com/
東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル9F
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