絵画作品においては、作品の中心となるような人物やモノを目立たせたり、または、鑑賞者に注目してもらいたい部分を引き立てたりするために、「対比」の表現が用いられています。
対比は大きいモノと小さいモノ、暗い色彩と明るい色彩、荒い筆致と細かい筆致といったように、正反対であったり全く異なる性質の要素を描くことで生じ、お互いの違いがはっきりと示されるため、それぞれの特徴が際立てられたり、存在感が増したりといった効果がもたらされます。
このような対比の効果によって、作中の重要な部分が強調されたり、画面にメリハリが付けられたりすることも多く、作品全体の印象を決定づける重要な要因として作用する場合もあります。
それぞれの作品には、どのような対比がなされていて、どのような効果が得られているのでしょうか?表現の違いを感じながらご鑑賞いただけると幸いです。