2022年は、松本竣介(1912-1948)の生誕110年にあたり、2023年6月には没後75年を迎えます。これを記念して、松本竣介の各時代に描かれた多彩なデッサンを精選してご覧いただきます。
松本竣介は、早くから、アメディオ・モディリアーニ(1884-1920)やジョルジュ・ルオー(1871-1958)、ゲオルゲ・グロス(1893-1959)、藤田嗣治(1886-1968)や野田英夫(1908-1939)らが描いた線描への共感を背景に、多くの魅力的なデッサンをのこしています。
「線は僕の気質なのだ」(1939年)と述べ、さらに「デッサン」は、簡単なスケッチや習作ではなく、「計画であり、決意決心を意味している」(1935年)と述べた松本竣介。
本展では、油彩画のためのプロセスとしてのスケッチ、習作から、完成された風格を備えたデッサンまで、全50点をモチーフごとに以下の6章に分けて紹介します。激動の時代を生きたこの画家の素描家としての軌跡をたどります。
また本展では、《街》(1938年)、《自画像》(1940年)、《市内風景》(1941年)、《Y市の橋》(1944年)、《建物(青)》(1948年)ほか、油彩画の代表作17点もあわせてご覧いただけます。