前衛陶芸家のサスガの眼差し
京都を拠点に活動した八木一夫(1918~1979)は、鈴木治、山田光ら陶芸家の仲間たちと1948年に結成した走泥社の中心的存在であり、用途を持たない「オブジェ焼き」の制作によって戦後の日本陶芸の表現領域を押し広げた、いわば陶芸界のカリスマでした。そのユニークな才能は、ブロンズやガラスの作品でも発揮されましたが、自身で撮影した写真についてはこれまで明かされることがありませんでした。本展では、その知られざる一面を、八木家に残る数千カットにおよぶ写真資料のなかから100点ほどを選び出して紹介します。八木の眼がファインダー越しに発見した日常のなかの非日常的な瞬間の数々をお楽しみください。