観客は自分一人。
人知れず、
静かに純粋に続いていく営み。
あなたの隣人は、
そんな
“誰も知らない表現者”
かもしれません。
「誰も知らない」展は、熊本及び九州エリアを対象として、 「人知れず驚きの制作活動を続ける人」の情報提供を呼びかけ、調査を進めて企画した展覧会です。その中には、 特別な美術教育を受けたことがないが、ほぼ毎日作品を大量に制作し続けている人や、あるいは、画家としてのキャリアがある一方で、ほとんど周囲の人にさえ知られていない活動をたった一人で続けるなど、驚くべき多様な表現活動をする人たちがいました。
この5人が制作を続ける動機や背景は様々です。 アーティストと呼んでよいかどうか迷う人もいます。しかし、その一つ一つの表現は、 「私はここに生きている」という密やかでありながら、過剰で過激なそれぞれの存在の証明に他なりません。今日も九州のどこかの町の、いつもと変わらない日常の中で行われている、人が人としてあるための表現活動を、どうぞこの機会にご覧ください。