この度、東京画廊+BTAPでは1月14日(土)から、SHIMURAbros個展『見かけの虹- Specious Rainbow』を開催いたします。
SHIMURAbrosはユカ(1976年生まれ。多摩美術大学卒後、英国セントラル・セント・マーチンズ大学院にて修士号を取得)とケンタロウ(1979年生まれ。東京工芸大学 映像学科卒)による姉弟ユニットです。平成21年度文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞受賞。その後カンヌ及びベルリン国際映画祭での上映をはじめ、日本国内外の美術館で作品の展示を行い、近年では恵比寿映像祭への出品や、NTU CCA Singaporeのレジデンスプログラム参加など、活動の場をさらに広げています。2017年にはArtReview Asia誌のA Future Greatsに選ばれました。平成26年度ポーラ美術振興財団在外研究助成を得て拠点をベルリンに移し、現在はオラファー・エリアソンのスタジオに研究員として在籍し活動しています。最近では、愛知芸術文化センター・愛知県美術館オリジナル映像作品の第30作の制作作家に選出され、第二次大戦中に「命のビザ」を発給した杉原千畝を起点に、現在も続く難民問題について考察した映像作品『Butterfly upon a wheel』(2022年)を制作しました。
SHIMURAbrosは映画を中心とする表象の問題を追求しつつ、制作活動を行ってきました。多様な映像が溢れる現代において、映像が本来持つはずの力を新しい形で実現することを目標とし、「新たな映像装置の発明」の試みを重ねてきました。
「見かけの虹- Specious Rainbow」と題した本展では、光学ガラスを用いて映画の一光景を切り取った<Trace Sky>シリーズをさらに発展させた最新作を展示いたします。より強い色彩を帯びる光学ガラスを使用し、表面に映されたイメージを通じて、現実と想像を行き来するような視覚体験を形作ります。
SHIMURAbrosの作品は、現代の多様化する映像文化において、文明によって生み出された機械の目と、身体に備わる自然の目の間にズレが生じていることを明らかにするものです。彼らはそのズレを映画史に定位することで、映像と視覚の過去と未来を見透す地点へと我々を誘っているかのようです。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。