本展は芦屋に生まれ育ち、現在も市内在住のアーティスト山崎つる子の、美術館における初個展です。
後まもないころ、山崎は芦屋市の主催する美術講座を聴講、講師の吉原治良によってモダン・アートに眼を開かれます。やがて1954年、吉原のもとに集まった若い作家たちと共に前衛グループ「具体美術協会」の創立に参加、中心メンバーのひとりとして国際的に活躍しました。1972年、吉原の死によって「具体」が解散したのちは、アーティスト・ユニオン(AU)に参加、さらに'80年代以降は個展を中心に、現在もなお活動しています。
展覧会タイトルのreflectionには、「反映」と「省察」という二重の意味が含まれています。金属面に色とりどりの照明をあてる作品に代表される、色彩の反映。さらに、同時代の美術多くみられる身体的な瞬発力ではなく、絶えざる葛藤と省察とによって粘り強く画面を作り上げていく態度。reflectionに加え、color、confusion、metallic、stripe、titleの合計6つのキーワードから構成される本展は、年代順の回顧によらず、むしろ新しい意味が立ち上がるような場を設定することで、その今日的な意義を顕彰します。
刺激的な色彩が乱舞する“おつるさんワールド”を、ぜひご堪能下さい。