「MOTコレクション」展では、戦後美術を中心とする当館の所蔵作品、約5500点の中から、会期ごとに様々な切口を設けて作品を展示し、現代美術の持つ多様な魅力の発信に努めています。
本展は、当館が開館(1995年)にあたって作品を引き継いだ東京都美術館時代も含むコレクションの歴史を紐解きながら、所蔵作品を制作年順に展示した「コレクションを巻き戻す」展(2020ー21年に開催)の続編です。今回は「読売アンデパンダン」展に工藤哲巳ら反芸術の作家たちが結集していた1960年代へと遡り、1975年に都美術館の新館が開館し、作品収集や企画展が本格化するころまでを、館の歴史や作品の展示をめぐるエピソードとともに辿ります。続いて75年から90年代にかけては、2つの美術館で開かれた企画展を手がかりに、リチャード・ロング、石内都、遠藤利克ら様々な作家たちとの関わりにおいて収蔵された作品に光をあてます。
2フロアを通してコレクションを巻き戻し、広い時代、国内外にまたがる多彩な作品を楽しんで頂くとともに、「MOTコレクション」のこれからの歩みにも思いを馳せる機会にしたいと思います。