本プログラムでは、現代美術のアーティストはもちろん、キュレーター、リサーチャー等の文化芸術活動を行う方を対象として、展覧会、パフォーマンス、ワークショップ、トーク等の活動を、企画段階から、リサーチ、設営、発表の実施、カタログでの記録までACACが全面的に協働します。展覧会の開催は必須ではありませんが、活動を広く知ってもらうための何らかのプレゼンテーションを実施することが必要です。滞在期間は、最短2週間から最長約3ヶ月まで、2週間刻みの選択制になります。(海外芸術家は1ヶ月の実滞在、もしくは最長約3ヶ月のリモートプログラムいずれか1つに応募できます。日本在住者の実滞在の長さ、時期は選択制です。)
新型コロナウイルス感染症の影響を受けるようになって約2年が経過し、その間ACACでも海外拠点者との活動をオンラインで行うなど、試行錯誤を続けてきました。2022年も状況によっては海外からの渡航や国内移動も難しい時期があるかもしれません。しかし、海外からACACへ実際に滞在できる可能性を探りつつ、同時にリモートでも世界のどこかとつながることに希望を持ちたいと思います。
今年度はプログラムの名称を「Making Things」としてみました。これは、ACACにおけるAIRの現在形を毎年考え、更新していくための指標であり、表現者たちの活動を規定するものではありません。ティム・インゴルド曰く、”thing”の語源は人々の集い、人々が問題を解決するために集う場を意味しています。国家間の争いや感染症の流行によって、分断が進みつつあるように見える世界ですが、国境なき営みであるつくること・人々が集まることで生じる創造的なコミュニケーションによって、自分と世界のあり方を変化させていく―ACACのAIRがそのような場となることを願っています。