私達が毎日とる食事とともに目にする食器。汁物が入った椀、食べ物が盛られた皿や鉢、お茶やコーヒー等を飲むための湯飲みやカップ、徳利や猪口といった酒器…。毎日の食を彩る器は、素材や形状、色やデザインなど、用途によっても様々な種類があり、誰もが日常的に接する道具の一つではないでしょうか。
日本の器の歴史は古く縄文時代の土器に始まり、弥生、古墳時代を経るとともに、より高温で焼成された焼き物が作られるようになります。やがて釉薬を施した陶磁器が登場し、様々な焼き物が作られるようになると、食器にも多様な種類が流用されるようになりました。また土器と同じように、縄文時代から作られてきた漆器も時代の流れとともに洗練されながら現代へと受け継がれ、私達の生活に欠かせない道具となり、日本は世界にも類を見ない多種多様な食器を持つ国となっていきました。
今展では、日本の食器のみならず、中国を始めとした東南アジア、ヨーロッパなど、様々な地域の食にまつわる器を取り上げます。また合わせて、茶懐石の際に用いられた器も、取り合わせてご覧頂きます。