西村画廊では、2022年9月13日(火)から10月15日(土)まで、当画廊が1974年の開廊当初から継続的に展覧会を開催しているデイヴィッド・ホックニー、ピーター・ブレイク、リチャード・ハミルトンのプリント作品によるグループ展を開催いたします。
現代で最も重要な画家の一人、デイヴィッド・ホックニーが、絵画のみならず版画や写真の領域でも既成の美術を大きく刷新してきたことは広く知られていますが、本展では、その多岐にわたるホックニーの仕事の一端を展覧します。1980年代、ホックニーはかつて自身が中国絵画の絵巻の中に発見した「移動する視点(ムーヴィング・フォーカス)」を、複数の視点のコラージュ的な構成によって絵画、版画、写真上で表現しましたが、本展ではその内の一つ、版画シリーズ“Moving Focus”から、代表的イメージである《An Image of Celia,from the‘Moving Focus'Series》(1984-86)を展示します。また、コピー機を空間のないカメラとしてとらえ、インクの代わりにトナーを用いた、カラー・コピーによる1986-87年の版画シリーズ“Home Made Print”、当時の最先端のデジタル技術を駆使して出力した1990年代のデジタル・プリントのシリーズ“20Photographs”、2010-11年のiPadによるドローイングのシリーズ“The Yosemite Suite”の他、2019年の大型画集《David Hockney.My Window》特装版のためにプリントされたiPhoneならびにiPadのドローイング、そして今年発売された豪華画集《David Hockney. 220 for 2020》も併せて披露します。
ピーター・ブレイクは、1991年の版画作品“Alphabet”シリーズから2点、リチャード・ハミルトンは、マルセル・デュシャン《彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも》(1915-23)の花嫁を裸体で表し、その姿を「独身者たちの領域」と共に「鏡の送り返し」として合成した《A mirrorical return》(1998)など、2点の代表的な版画作品を展示します。
今日の美術に多大な影響を及ぼしてきた三人の作家のグループ展に、どうぞご期待ください。
皆様のご来廊を心よりお待ちしております。