2023年は彫刻家 朝倉文夫(1883~1964)生誕140年にあたります。これを記念し、創作活動の拠点であったアトリエを再現し、朝倉文夫その人の魅力に迫る特別展を開催いたします。
現在、朝倉彫塑館として公開されている建物は、朝倉のアトリエ兼住居として建設されました。朝倉が自ら設計し、制作や生活の場となった建物は、朝倉の思想や芸術観が凝縮された空間です。作品を生み出す原点ともいえる場を、能力を最大限に生かせる空間として、自らの手で創り出しました。
生前に撮影された写真を見ると、所せましと作品が配置されたアトリエで制作する様子や木造の住居棟でくつろぐ様子など、当時の息遣いが感じられます。
本展では、こうした写真をもとに朝倉が活動した当時のアトリエを再現します。過去最多となる展示作品からは独持の迫力が感じられ、往時の雰囲気を感じ取ることができます。時間を経てもなお、朝倉が活動した当時を彷彿とさせるのは、作品と空間の持つ力といえます。ぜひ、その空間に身を置き、朝倉がアトリエに込めた想いを体感していただきたいと思います。