「夏」といえば何を連想するでしょうか。海や山などの自然、食べ物や行事、特定の地名という答えもあるかもしれません。「もよう」という言葉には「空もよう」「荒れもよう」のように名詞の下に付いて、有様やそれらしい様子を表す意味があります。今回の企画では、収蔵品の中から夏を描いた、またはそう感じられる作品を選抜して展示します。
風景や静物を描いた作品には題名、内容から描かれている時間や季節、年代など作品の背景が判別できる場合があり、それらは鑑賞する上での一助となります。断定できるものばかりではなく、見る者に委ねられる部分もあるため、あるいは作者の意図とは異なるかもしれません。それでも鑑賞の楽しみの一つである想像をめぐらせ、思案することで一人一人の景色が見えるかもしれません。作品の中に入って「夏もよう」を探していただければ幸いです。