□作家コメント
伝統的な手漉き和紙は大変な手間をかけて出来ていて美しく、それ以上何もする事がない気がした。水に浸し、製造工程を遡り、解いていくと平面の紙が複曲面になり、乾くとそのままの形で留まる。その可塑性から制作か始まり、和紙を知ることから改めて色々な学びが始まった。
和紙の繊維を解き過ぎると、形は突然弱くなり、紙としての面から一本のコウゾの繊維となる。その一瞬にくっつくことと離れることの不思議なハランスを感じ、接着について考え始めた。
物事の境目と思われる「あうとはなれる」は同じ源泉から来ている。そしてそれはとても精妙だと思う。