1950年代、土門拳は精力的にこどもの写真を撮影しました。貧しくても、日本中に元気なこどもたちが沢山あふれていた時代。こども好きだった土門は、とりわけ東京の下町のこどもたちを愛し、35ミリの小型カメラとキャラメルを手にこどもたちの中に溶け込んで、路地で生き生きと遊ぶ姿を活写しました。
紙芝居、おしくらまんじゅう、チャンバラごっこ、コマ回し・・・・土門拳の撮るこどもたちは、大人のイメージの中にあるような、ただ可愛らしい無邪気なこども像ではありません。彼らは、泣いたり笑ったり、輝く眼で、一生懸命、真剣にたくましく生きています。
もしかしたら、写真の中で、幼い日のあなたと出会えるかもしれません。