「サムライ・ジャパン」、「サムライ・ブルー」、「ラスト・サムライ」など、今や国際的に知られる言葉となった日本の「サムライ」=「侍」は、日本の歴史や文化、精神を体現する一つの象徴として熱い注目をあび、美術の分野でも、サムライにまつわる絵画や工芸、武具甲冑などの展覧会が各地で盛んに開催されています。
本展では、軍記物語の金字塔『平家物語』の名場面をちりばめた合戦絵《源平合戦図屏風》をはじめ、後世に名を遺した英雄たち――源氏の八幡太郎義家、義経、南北朝の動乱で活躍した楠正成らの雄姿を描く、「サムライを描いた絵画」を中心に、戦場で生死を共にした馬や、武威の象徴とされた鷹などの生き物を描く「サムライの愛した絵画」、さらには田能村竹田や十市石谷ら「サムライ(武士)階級の画家が描いた絵画」などを併せて展示します。