今日のアートには、作品を前にして静かに見るという方法だけでなく、身体を動かす、耳を澄ます、といった、作品と出会った最初の段階から「一歩踏み出す」ことで、より深く作品と交流できるような作品があります。
作品の空間と、受け手の空間が交差することで、物の見方が変わったり、新しい面を発見したりすることが、アートの大きな役割の一つです。静かに作品を見ることもその一つの形態ですが、いろいろな感覚を使った作品との交流は、この交差の間口を広げたり、交差の機会を増やすことに繋がると考えてもよいかもしれません。
この展覧会では、このような特徴をもつ作品を、ともに楽しむことによって、作品と私たちとの関係や、アートに親しむ「場」について考えてみます。