こけしは私達の宝物
伝統こけしは、江戸時代後期の文化・文政期(1818~1830)に誕生したと云われています。農閑期の湯治の習慣が定着し、温泉土産が開発されて、こけしもその一つとして生み出されたようです。その時から今日までの長い年月の間、多くのこけし工人が生まれ、愛好家が育ち、そうして今日まで伝えられた伝統文化です。
展示のこけしは、明治時代から、昭和10年代に作られた「古作こけし」と称されるもので、こけしの歴史が偲ばれる貴重な品々です。これらのこけしが作られたのは、鉛筆よりも筆が身近だった頃、電気がまだこんなに明るくなく夜は漆黒の世界で、車も少なく、新幹線も無い…、そんな時代のこけし達です。