伝統的な素材である漆を用い、革新的な作品を制作し続けた髙橋節郎。1997年に文化勲章を受章した日本を代表する漆の芸術家であるとともに、1976年、62歳から母校東京藝術大学の教授を務め、1995年には名誉教授に就任するなど、後進の育成に尽力しました。
本展では、髙橋芸術を紹介するとともに、4名の教え子、赤堀郁彦・並木恒延・三田村有純・故横山幸文(50音順)を取り上げ、代表作などを展示し紹介します。髙橋の薫陶が、半世紀にわたって、作風の全く異なる彼らによって受け継がれ結実してきました。日本の伝統的素材である漆を用いながら、用の工芸ではなく、現代アートの視点からも評価される髙橋と、その教え子たちの作品を通して、戦後の漆芸術史を改めて検証するとともに、現代日本における漆の造形美術の今を展観します。