私たちにとって未知の存在であった新型コロナウィルスの影響により、思ったように外出できず、友達とも遊べず、家の中で随分多くの時間を過ごす日々がつづきました。人の気配が消えた町は、まるで、壮大な「かくれんぼ」が行われているかのようにひっそりとした時間が流れていました。本展では「かくれんぼ」をキーワードに、写真と絵画を用いて観光写真から人々の存在を消した作風で知られる城田圭介をはじめ、近年新たに当館に収蔵された上田薫、丹阿弥丹波子、原良介の4人の作家の作品を紹介します。また、特別展示として音楽家zmiの音により呼び起こされる風景をご鑑賞いただけたらと思います。
さらに、子どもたちの夏休みにあわせ、作品の中にある光の特徴、版画の技法、時間の感覚、音の連なりなど、美術から拡がるさまざまな学びにも目を向けてみます。
作品の中にかくれているものを探すように、そっと近づきよく目をこらし、ときには目をつぶり、じっと耳を澄ましてみる。そして、ゆっくりじっくり作品と向き合うことで、私たちのまわりを取り巻く多くのものやこととの交わりに気づくひとときをお過ごしいただければ幸いです。