戦後の GHQ 占領下、民間貿易が再開された 1947年(昭和22年)から1952年まで、日本の輸出品には「Made in Occupied Japan(占領下の日本製)」と刻印されました。おもにアメリカに向けて陶磁器や漆芸品、金工品、おもちゃ、カメラなど、様々な製品が輸出され、近年では、これらはコレクターズアイテムとなって親しまれています。2019年、アメリカで収集したコレクターより、陶磁器を中心に約900件のオキュパイドジャパン(OJ)コレクションが本学に寄贈されました。
このたびの展覧会では、OJコレクションを公開する第一弾として、陶製人形を紹介します。フィギュリンやノベルティと呼ばれる陶製人形 は、戦前より瀬戸などで生産、輸出され、ドイツ製の磁器人形の代わりとして、アメリカで人気がありました。戦後、輸出が再開されると、17、18世紀のヨーロッパの衣装をまとったマイセン風の男女やハンメル風の子どもたち、天使や妖精など、精巧なビスク人形から、安価で素朴な人形まで、膨大な数の人形が海を渡っていきました。戦後の貿易再建を支え、およそ70年ぶりに日本に帰ってきたOJコレクションをお楽しみください。