かつて男性は、印籠などに根付と呼ばれる留め具をつけて帯に挟んで持ち歩きました。江戸時代には、今の江津市を拠点として数多くの根付作家が活躍しています。
彼らが作った根付を石見根付といいます。石見根付の特徴の一つに、細かい文字が彫られている作品が多いことが挙げられます。手の中に収まるほどの小さな作品に、なんと300に近い数の文字を彫り込んだものまであります。文字以外にも、動物や植物の表現も細かく、驚きの作品ばかりです。
このような尋常でない細かい仕事をした作品を、超絶技巧という言葉で表現します。超絶技巧とは、本来高度な演奏技術のことですが、工芸分野でも使用されています。
超絶技巧の宝庫である石見根付をお楽しみください。