高木聖鶴(たかぎ せいかく)は大正12(1923)年総社市に生まれ、終戦後、「仕事以外に生涯を通じて学べるものを」と書を選び、書家の内田鶴雲に師事。日本や中国の古筆(こひつ)を研究し、特に仮名書の頂点といえる平安期の古筆を徹底的に臨書研鑽し、優美さと鋭さを兼ね備えた独自の書風を打ち立てました。昭和25(1950)年日展に初入選して以後、同展や朝陽書道会展等に作品を発表。平成29(2017)年93歳で没するまで70年以上の長きにわたり、自身の書作に励むとともに朝陽書道会会長、日展顧問、日本書芸院最高顧問等の要職を歴任。平成18(2006)年に文化功労者に選出、平成25(2013)年には岡山県内在住者として初の文化勲章を受章するなど、日本の書壇の発展に多大な功績を残しました。
本展は、高木の生誕100年を記念し開催するもので、各地の博物館施設や個人に収蔵される代表作、初期から最晩年まで100点の書作を一望するとともに、書家・高木聖鶴の心技を育んだ愛蔵の古筆や文房四宝を展覧します。