■リートフェルト
ユトレヒトというオランダの小さな街に生まれたヘリット・トーマス・リートフェルトは、近代デザインの礎(いしずえ)となった建築家のひとりです。赤、青、黄、黒、白などの原色と、直角と直線を多く使った単純なかたちによって、今に続く新しいデザインの考え方をつくった人物として、世界によく知られています。その代表作には、現在も生産され愛用されている「赤と青の椅子」や、世界遺産となっている「シュロイダー邸」などがあります。
■「赤と青の椅子」と「シュロイダー邸」
20世紀初頭のオランダは、たくさんの才能ある芸術家が結集し、新しいデザインや美術の考え方が次々と出てきた時期です。リートフェルトの「赤と青の椅子」や「シュロイダー邸」は、なかでもそうした考え方をもっともよくあらわしたデザイン・建築として評価されています。にもかかわらず、使いやすさ、住みやすさ、心地よさ、遊び心やユーモアなども決して忘れられていません。この展覧会では、オリジナルのほか、再制作や模型、映像などをつかって、リートフェルトのデザインの楽しさを紹介します。
■ワークショップ
展示室内にはワークショップとして、リートフェルトの名作「赤と青の椅子」のミニチュアをいつでもつくることのできるコーナーを設置します(材料代実費)。椅子を制作したり、椅子に座ったり触ったり、大人も子供も一緒になって、リートフェルトの世界を楽しく体験できる展覧会です。
■案内役・ミッフィー
来年生誕50周年をむかえるミッフィー(うさこちゃん)は、その愛らしい表情とシンプルな色とかたちによって、世界中で愛されているキャラクターのひとつです。生みの親、ディック・ブルーナは、リートフェルトと同じユトレヒトに生まれ、今もユトレヒトに暮らす無類の絵本作家かつグラフィックデザイナー。リートフェルトにも大いに影響を受けています。ブルーナいわく「基本的な色だけを使う建築家、それがリートフェルトです。私もできるだけそうしようとつとめています。」