この度2022年に日中国交正常化50周年を迎えたことを記念して、日中両地域における山への信仰をテーマとした企画展を開催します。
中国には道教・仏教の聖地である「五岳」をはじめ、安徽省に位置する世界遺産の「黄山」や古くから天下一と称えられた江西省の「廬山」など、霊山・霊峰として知られる山が多くあります。また、中国山水画の伝統においても、山岳は理想の境地として描かれてきました。一方で、日本には信仰の対象と芸術の源泉として世界文化遺産に登録された「富士山」があり、山岳に対するあこがれには共通点も見られます。
本展では日中両地域の霊山・霊峰への信仰や人々と自然との関わりを主題とする現代の中国絵画作品を中心に取り上げます。近世の作品から陳允陸氏ら現在も活躍中の作家による作品まで幅広く展示し、伝統に立脚しつつ新しい表現を追求してきた東洋の山水画をご紹介します。