本展は、紙を素材とした造形作品やインスタレーションを手がける十勝の若手造形作家・加藤かおり(1986- )の当館初個展です。加藤作品の幾何学的で精緻な造形は、一見すると機械によって工業的につくられたもののようですが、実際には作家本人の手仕事によって、さまざまな色と材質の紙を繰り返し折り込んでつくられています。
大きく、重みのある紙と対峙しながら、手や指先の感触に意識を集中させ、ひと呼吸ずつ均一に作品を折りあげていくその「手わざ」は、どこか職人的でもあり、さらには、ペインティングナイフで一筆一筆作品を描きあげる日勝の描法をも思わせます。
本展では、加藤の造形作品を館蔵品の神田日勝の絵画が展示されている空間の中でご覧いただきます。絵画と立体、近代美術と現代美術、ジャンルや時代をこえた2人の競演をお楽しみください。