1942年生まれの島村真樹子氏は平穏な家庭生活を送りながらも、「なんだか変だ、これは本当の自分ではない」と密かに思い続けていたといいます。「体の中にエネルギーがたまってきて、出口をさがしている感じ。これは一体、何だろう。」と疑問に思っていた感情は絵を描くことに行き当たりました。島村氏40代後半の出来事でした。島村氏は1989年末から90年にかけてのおよそ4ヶ月の間、毎日のようにポストカードサイズの紙に水彩絵の具で描き続けました。その数は2000枚にも及びます。「手が勝手に動いていた。脳の一部に、絵を描く時しか使わない領域があり、そこにはすでに一枚の絵の明確なイメージが出来あがっていて、それを紙の上に再現させるための指令が手に届く、そんな感じだった。」と島村氏はそのときのことを振り返ります。
島村真樹子氏が画家として出発した原点ともいえるポストカードサイズの作品2000点の中から、今回は500点ほどをご紹介します。