作家は自分のスタイルを確立していく過程において、様々なものごとを見聞きして吸収します。なかでも、若き日に出会った師の教えは、最も大きな影響を与える要素のひとつでしょう。それはのちに作家活動の芯になるまでの重要性をもったり、師の示唆がターニングポイントになったりする場合もあります。本展で紹介する石川ゆかりの作家たちもそれぞれ、様々な場・様々なかたちで師弟関係を結び、厳しい修行を経て自身の作風を追い求めていきました。
今回はそんな師弟の関係性に注目します。本県ゆかりの作家とその師の作品を同時に展示し、それぞれの作家が受けた影響やその後の新たな創造への軌跡を、豊富なエピソードとともに紹介します。西洋に飛び出した作家、あこがれを込めて私淑した大家への想い、学び舎での得難い時間―。作家たちの足跡は、かれらのバックボーンを支える重要な経験となり、これらひとつひとつの積み重ねが、今日の石川の美術をつくった作家を育てていきました。
さあ、石川の美術形成を担った作家たち、そしてかれらを育てた巨匠たちの共演です。「師弟」をキーワードに、石川の美術の一側面をのぞいてみてください。