平安時代末期に起きた治承・寿永の乱(1180~85)は俗に「源平合戦」とも呼ばれ、平氏政権と源頼朝や義経を中心とした武士たちによる激しい戦いが繰り広げられました。そして頼朝が平氏一門を滅ぼして鎌倉幕府を開いたのちも、頼朝の後継者や北条氏を中心とした有力御家人たちによる、権謀術数うずまく勢力争いの時代が続きます。
武士たちによる一族の存亡をかけた戦いのエピソードは、古くから『平家物語』や『吾妻鏡』などの軍記物によって普及しました。江戸時代には小説や歌舞伎などで親しまれ、浮世絵でも人気の題材となって数多くの作品が描かれています。
本展では、アニメやドラマでも再び注目を集めているこの時代を取り上げ、歌川国芳、歌川広重、月岡芳年らの浮世絵を通して武士たちの栄枯盛衰をたどります。