■地元作家コーナー「平野遼の絵画世界」
平野遼(1972-1992)は北九州市小倉北区に居を構え、流派や世間の風評に流されること無く自分自身の深奥を見つめつづけ、独自の絵画世界を切り拓いていきました。今回の展示では具象、抽象、シリアス、ユーモラス、大画面、小画面など、平野の絵画世界の多様な側面をご覧いただきます。
■近代コーナー「婦人像特集」
ピエール=オーギュスト・ルノワール「麦わら帽子を被った女」、モーリス・ド・ブラマンク「雪」など西洋近代絵画を展示します。また日本近代洋画の中から、野田英夫「婦人像」、児島善三郎「スペイン装の高田せい子像」、「紅衣」などの夫人像を中心に紹介します。
■東洋コーナー「古代中国の画像石拓本」
古代中国の墳墓には、死んだ人がどのように生活をしていたか、あるいは死んだ後どのような世界へ旅立つのか、浮き彫りで表現されています。その生き生きとした表現は現代のお墓に対して我々が抱くイメージを覆すもので、死人への弔いの場はむしろ生の喜びに満ちあふれています。古今の美術表現の多くは人間の生と死をテーマにしてきましたが、その一つの例を古代中国の墳墓壁画に見ることが出来るでしょう。
■現代コーナー「西欧における戦後美術」
西欧アーティストによる戦後の美術作品を紹介します。フランク・ステラ、メル・ボクサー、マイク&ダグ・スターン、ベルント&ヒラ・ベッヒャー、ピーター・ハリーほか。
■テーマコーナー「白川昌生特集~近代日本美術考」
白川昌生(1948-)は北九州市戸畑の出身で、ストラスブール、パリ、デュッセルドルフで哲学と美術を学び、現在は群馬県に在住しています。展示では「道草の歌」シリーズを中心に紹介します。これらの作品群は、江戸時代から明治時代にかけて「西洋」をお手本にして「近代」化が進められた「日本」において作られてきた「美術」という一つの決まりごとについて考え直す機会をもたらします。