Surely with mankind the appreciation of flowers must have been coeval with the poetry of love.――OKAKURA Kakuzo
「人類において、花を観賞することは、恋愛の詩と時を同じくして始まったに違いない。」
岡倉天心(覚三)は『The Book of Tea (茶の本)』の中でこう述べ、人間が花に寄せる想いは、愛情を詩歌に託すのと同様、人類と動物とを分かつ、人間にとって根源的なものであるという考えを示しています。
私たちの生活を彩る花は、芸術の中でもポピュラーなモティーフとして用いられてきました。そして明治に始まる「日本画」の歴史のなかで、画家たちは古画の模倣から離れて写生を強く意識し、また植物学、博物学などの知識を背景に、新たな視点で花や植物を描いてきました。
本展では成川美術館の4000点を超える日本画コレクションから、花をテーマに多様な作品を精選してご紹介します。戦後の日本画家達による代表作の数々をご覧いただくと共に、花々の彩りにこころ躍らせ、癒やされるひとときをお楽しみください。