濱田観は姫路に生まれ、昭和期、戦前から戦後にかけて京都画壇で活躍した日本画家です。主に花鳥画を得意として官展を舞台に作品を発表し続け、晩年には日本芸術院会員に推挙されました。画家として充実のキャリアを重ねた濱田ですが、1988年の当館特別陳列「生誕90年―郷土の日本画家 濱田観展」以来、公立美術館等で大規模個展が開催された記録は見当たらず、人々に広く知られる機会はあいにく多くはなかったのかもしれません。またそれは、濱田の息子で同じく日本画の道を歩み、現在日展参与を務めている濱田昇児についても言えるでしょう。
本展では、官展へ出品された大作をはじめとして、当館が所蔵する日本画家・濱田親子の作品全件をご紹介します。父・観の幽玄な花鳥画と、息子・昇児の清新な風景画の世界をお楽しみください。