寅と申の年に諏訪地方で行われる御柱祭(おんばしらさい)は、山から切り出した巨木を氏子たちが曳(ひ)き、社殿の四隅に建てるというお祭です。1200年以上連綿(れんめん)と受け継がれていますが、なぜ行うかは分かっておらず、どう行うかだけが伝えられています。
創造とは、これまでにない新しいものを作ることです。
これまでにないもの、自分が知らない向こう側のものを作るという一見して矛盾する問題から、本展では創造行為とは何かをテーマに、御柱祭に創造の秘密を見出し制作した屛風絵作品を中心に紹介します。
知覚できない外部との境界の間(あわい)をめぐり、制作を続ける中村恭子の世界をどうぞご覧ください。