自然と美術作品は、深い関係にあると言えます。自然の恵みである水や緑、草花を表現してそれを愛でることは、古今東西に関わらず人類共通の営みであったと言えるでしょう。とくに日本・東洋の古美術は、鉱石から生み出される絵具、土から作る焼きもの、漆塗りの工芸品など、作品の素材そのものが自然から生み出されたものを使っているものが多くみられます。また、《領内名勝図巻》に見られるように、熊本には、水や緑の美しさが江戸時代から変わらず受け継がれていることがわかります。
本展覧会は、当館の古今東西にわたる様々な作品を、「水・緑・花」というテーマの下で紹介する企画です。《領内名勝図巻》など、肥後の自然豊かな風景を描いた作品をはじめとして、花や緑を装飾に用いた絵画や工芸品、多種多様な水の表現の絵画などを展示し、美術における人と自然の関係を見ていきます。第38回全国都市緑化くまもとフェアとともに、ぜひ足をお運びください。