茶わんは茶道具のひとつですが、現代陶芸には茶陶であることを前提として「うつわ」という象徴的な造形に重きをおいたものも存在します。いずれも人の手から生み出され、人の手に収まるように作られています。そのため、茶わんの姿や使い心地は私たちに「うつわ」という制約に込められた作り手の技や思いを伝えてくれます。
本展では館蔵品を中心に、昭和から現代にかけて制作された備前焼の茶わん約50点を紹介します。
今回、作品の名称・表記は、作家性を知る一助となると考え、統一していません。また、備前焼の茶わんを目で見るだけでなく、手にとって楽しむ機会として茶会を設けました。備前茶盌の用と美を鑑賞していただく試みです。