私たちがこの世に誕生し、その成長の過程で初めて出会う本が「絵本」でしょう。文字を読むことができない幼い子どもたちは、絵本作家たちの豊かなイマジネーションにあふれた絵や絵に添えられたシンプルでやさしい言葉にふれながら、たくさんのことを学んでいくのです。
今回、「ミッフィー」が世界中で愛されているオランダのディック・ブルーナをはじめ、『おやすみなさいおつきさま』が近年注目されつつあるアメリカのクレメント・ハード、『リサとガスパール』シリーズが大人気のフランスのゲオルグ・ハレンスレーベン、また日本を代表する『100万回生きたねこ』の佐野洋子や黒井健など、世界11カ国より現代絵本を代表する絵本作家たち22名の作品を一堂にご紹介いたします。これらの作品を通じて子どもたちはもちろんのこと、<子どもの心>を遠い昔にどこかに置き忘れてきてしまった大人たちにも記憶の戸棚からワクワクやドキドキを感じる力を引き出し、純粋な目で作品の持つ個性的な世界を存分に味わってほしいと思います。大人の中にある<内なる子ども>をよみがえらせてくれる魅力いっぱいの展覧会です。