「フジフイルム・フォトコレクション」は、日本の写真文化を支え続けてきた富士フイルム株式会社が、2014年に創立80周年を記念して創設した写真コレクションです。写真が未知なる視覚体験として幕末に伝来してから現在に到るまで、日本では優れた写真家が数多く誕生しました。彼らは、時代の変遷の中で、日本の写真表現の可能性を探り、自らの姿勢や問題意識を明らかにしてきました。
本展では、「フジフイルム・フォトコレクション」に収蔵された101点により、日本における写真黎明期の礎となったフェリーチェ・ベアトや上野彦馬、下岡蓮杖らの作品から、明治、大正、昭和、平成と国内外で高い評価を受けた日本人写真家を中心とした記録的価値の高い作品をご紹介します。
現在では、デジタル技術の飛躍的な進歩により、写真の表現方法や鑑賞方法、それに対する人々の意識も刻々と変化し続けています。日本の写真史を通観する本展は、写真のありように対する多様なメッセージが込められています。「フジフイルム・フォトコレクション」との新たな出会いをお楽しみいただければ幸いです。