本展は、4人の現代美術作家による写真の展覧会です。しかし、ひとくちに「写真」と言っても、その手法や表現されている内容は、それぞれが実に多彩で独創性に富んでおり、現代美術における写真表現の可能性の幅広さと奥深さを実感することができるはずです。「一瞬の表情」を見事にとらえた梅佳代の作品は、ストレートな写真の魅力にあふれています。木村友紀、澤田知子、山田佐保子の各作家は、写真を撮るとともに、写真を使う、つまり、写されたイメージを操る、あるいはそこから新たな表現を生み出している作家たちであると言えます。自分で撮影した写真に加え、“ガラクタ市”でみつけた写真を取り入れるなどの試みが新鮮な木村の作品。お見合い写真を題材に、ひとりで30人もの女性に扮し、人間のイメージと容姿の関係を真正面からユニークに提示する澤田の作品。モチーフを部分的に撮影した写真から再び立体を構成し、そこに生じる実物のイメージとのずれをテーマとした山田の作品。
4人の作家と写真とのそれぞれの関係から生まれた表現。
「そこに何が見えるのか?」じっくりとお楽しみください。