ふたつの堆黄(ついおう)盆、修復完了記念展
漆、それはアジアの人々が発見した不思議な素材です。
塗料・接着剤として用いられた漆は、長い時間をかけて地域ごとに独自の技法が磨き抜かれていきます。
本展では東アジアにスポットを当て、中国、朝鮮、そして日本で育まれた多彩な漆工品について、それを生み出した技法とともにご紹介します。
今回一挙に公開する住友コレクションの漆工品は、茶室、能舞台、香席、酒宴、書斎・・・
かつて様々な場に顔をのぞかせた「実用」の品でした。
会場では、漆が彩った近代数奇者のくらしについても探ります。
ただ、漆の美も時の流れによる劣化には逆らえず、何百年にもわたって愛玩して伝えていくには定期的な修復を必要とします。
修復後初公開となる堆黄盆を例として、最新の修復技術もご紹介いたします。