≪沖縄≫12点
土門拳は昭和10年からカメラマンとして勤めた「日本工房」を退社し、昭和14年に外務省の外郭団体・国際文化振興会の嘱託となりました。この頃、日本民芸協会のグループと交友し、14年の暮れから、15年の正月(12月31日~1月12日)に彼らと共に「琉球観光団」(柳宗悦、濱田庄司、富本憲吉、棟方志功、田中俊雄、坂本万七ら)のメンバーとして沖縄を訪れ各地を取材しました。沖縄の暮らしや風俗、劇場文化など当時の沖縄独自の文化を土門拳の若い目がとらえた大変珍しい作品です。
≪日本の農村≫18点
昭和10年代、「中央公論」特集「生まれ変わる日本」などの取材をはじめとして、当時の農村生活を撮影した作品です。当時戦争が、農村にも労力・肥料・家畜の飼料不足など、決定的な影響を及ぼす中で、共同作業・機械化・多角的経営・耕地整理など、食糧増産のために新しい形の農村を産む努力が日本の農村各地でなされていました。
・主な撮影地(当時の地名)
長野県森村、栃木県筑波村、千葉県中和村、神奈川県厚木村、青森県戸来村、他