当館では、平成14年度から毎年、県内の子どもたちを対象とした水墨画ワークショップを実施し、完成作品等を紹介する展覧会を開催してきました。平成30年度からは、「ひらけ墨画ワールド」と題して、墨画表現に取り組む作家を講師に迎え、講師作品とワークショップ作品に加えて、表現に必要な素材なども展示し、多角的に水墨画の世界を紹介しています。
今回は、富山県出身の画家・尾長良範氏を講師にお招きします。尾長氏は「日本画」という固定観念に縛られずに、素材や技法等に着目しながら、新たな絵画表現に挑み続けています。平成21年に当館で開催した「現代の水墨画2009」においても、柔らかく透き通った独特の存在感を放つ水墨作品が高く評価されました。
本展では、講師の指導により引き出された、子どもたちが持つ伸びやかで瑞々しい感性にあふれる墨画の世界と、講師による独創的な絵画表現の世界、そして、水墨画の制作には欠かすことができない素材の世界というそれぞれの観点から、墨画表現の可能性をご紹介します。